国土交通省が公表した建築着工統計調査によると、住宅市場は依然として方向感に乏しい状況が続いています。
金利環境や資材価格、人件費の動向が着工判断に影響を与える中、利用関係別の動きにばらつきが見られています。
新たな動き
令和8年1月の新設住宅着工戸数は、前年同月比0.4%減となりました。
持家は増加しましたが、貸家と分譲住宅が減少し、全体を押し下げる形となりました。

季節調整済年率換算値は前月比0.1%減となっています。
利用関係別では、持家は14,418戸で前年同月比6.6%増となりました。
一方、貸家は24,032戸で1.5%減となり、3か月連続の減少です。
分譲住宅は17,035戸で4.8%減となりました。
うち分譲マンションは減少し、分譲戸建は増加しています。
地域別では、首都圏は総戸数で0.9%増となりましたが、中部圏は9.3%減、近畿圏は11.6%減となりました。
住宅投資の動向
住宅投資予定額は前年同月比6.5%増の1兆2,366億円となりました。
持家は11.3%増、分譲住宅は7.2%増と堅調です。
貸家は0.5%減となりました。
戸数ベースでは減少したものの、単価上昇の影響により投資額は増加した構図が読み取れます。
建築物着工の動向(非住宅)
民間非居住建築物では、前年同月比で店舗や工場は減少しましたが、事務所や倉庫が増加しました。
その結果、全体では増加となりました。
用途別では、倉庫や事務所の底堅さが確認されています。
物流需要や企業の設備投資の回復が背景にあるとみられます。
課題
住宅着工は持家が回復傾向にある一方で、貸家や分譲マンションは不安定な動きが続いています。
金利動向や消費マインドの変化が着工判断を左右する状況です。
また、地域間のばらつきも顕著となっており、都市圏と地方圏での需要差が広がっています。
展望
投資予定額が増加していることから、建設単価の上昇を背景に市場規模は維持されています。
今後は、金利水準や資材価格の安定が着工動向の回復に直結する可能性があります。
非住宅分野では物流関連施設や倉庫需要が引き続き注目されます。
住まキャリの見解
住まキャリの見解では、戸数ベースでの減少と投資額ベースでの増加という構図は、建設単価上昇局面の特徴が表れていると考えています。
特に持家の回復は、実需層の慎重ながらも底堅い動きを示しています。
一方で貸家や分譲マンションは、投資マインドや金融環境の影響を受けやすく、今後の金利動向が鍵を握ります。
非住宅では倉庫・事務所の増加が示すように、産業構造の変化に沿った建築需要の再編が進んでいるとみられます。


