建築設計職への転職を考えている方の中には、
「職務経歴書に担当物件をどこまで詳しく書けばいい?」
「設計実績や使用できるCAD・BIMソフトを、どうアピールすれば評価される?」
「担当した案件が多く、分かりやすく整理できない」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
建築設計の職務経歴書では、勤務先や担当業務を並べるだけでなく、どのような用途・構造・規模の建物に携わり、基本計画から実施設計、確認申請、工事監理までのどこを担当したのかを具体的に示すことが重要です。
また、一級建築士・二級建築士などの資格、AutoCAD・Jw_cad・Revitなどの使用ソフト、受賞歴や業務改善の実績も、採用担当者が経験や専門性を判断する材料になります。
この記事では、建築設計の職務経歴書で評価されるポイントをはじめ、担当物件や設計実績の書き方、採用担当者に伝わりやすい例文、避けたいNG例まで解説します。
意匠設計・構造設計・設備設計など、自分の担当分野や経験を整理し、応募先で活かせる強みが伝わる職務経歴書を作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
評価される3つのポイント
建築設計の職務経歴書では、勤務先や在籍期間を並べるだけでなく、どのような建物を担当し、どこまでの工程に携わったのかを具体的に伝えることが重要です。
採用担当者は、応募者の経験が自社の設計案件や募集ポジションと合っているかを判断するため、主に次の3つのポイントを確認します。
| 評価されるポイント | 記載する内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 担当物件の用途・構造・規模 | 建物の用途、構造、階数、延床面積など | RC造・地上10階建て・延床3,000㎡の共同住宅 |
| 担当範囲 | 基本計画、基本設計、実施設計、確認申請、工事監理など | 基本設計から実施設計、確認申請、現場監理までを一貫して担当 |
| 資格・受賞・使用ソフト | 建築士資格、コンペや社内表彰、CAD・BIMの使用経験 | 一級建築士/AutoCAD・Revit/設計コンペ入賞 |
担当物件の用途・構造・規模
「住宅の設計を担当」「マンションの設計経験あり」だけでは、案件の難易度や経験の幅が十分に伝わりません。
戸建住宅、共同住宅、商業施設、オフィス、公共施設などの用途に加え、木造・S造・RC造といった構造、階数や延床面積まで記載すると、担当してきた案件を採用担当者が具体的にイメージしやすくなります。
担当した設計工程
建築設計の業務範囲は、企業や案件によって異なります。
基本計画のみを担当したのか、実施設計や確認申請、工事監理まで携わったのかを明確にしましょう。
施主との打ち合わせ、行政協議、施工会社との調整、設計変更への対応なども経験している場合は、担当工程とあわせて記載すると、設計以外の調整力や対応力も伝えられます。
資格・受賞歴・使用ソフト
一級建築士や二級建築士などの資格は、取得年月とあわせて正式名称で記載します。
設計コンペの入賞歴や社内表彰がある場合も、評価されたテーマや実績を簡潔に添えると効果的です。
CAD・BIMについては、単にソフト名を並べるのではなく、「実施設計図の作成」「BIMモデルの作成・修正」など、実務でどのように使用したかまで示すとスキルの水準が伝わりやすくなります。
これらの経験を職務経歴書だけでなく自己PRでも一貫して伝えることで、応募者の強みがより明確になります。
実績の書き方|建築設計のKPI
建築設計の実績は、営業職の売上や契約件数のように数字だけで評価できるものではありません。
そのため、担当物件・担当範囲・件数・成果を組み合わせ、経験の規模と役割が伝わる形に整理することが重要です。
職務経歴書に記載しやすい項目と書き方の例は、以下のとおりです。
| 項目 | 記載する内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 担当物件 | 用途・構造・階数・延床面積 | RC造・地上10階建て・延床3,000㎡の共同住宅 |
| 担当範囲 | 設計工程と担当業務 | 基本設計、実施設計、確認申請、工事監理を担当 |
| 担当件数 | 年間または在籍期間中の案件数 | 戸建住宅を年間10件以上担当 |
| 顧客・関係者との調整 | 施主、行政、施工会社との調整経験 | 施主との打ち合わせから行政協議、施工会社との調整まで担当 |
| 資格・使用ソフト | 保有資格とCAD・BIMの実務経験 | 一級建築士/Revit・AutoCADを使用 |
| 成果・改善実績 | 設計変更の削減、業務効率化、受賞など | BIMテンプレートの整備により図面修正作業を効率化 |
数値を記載するときは、大きな数字を無理に作るのではなく、担当した案件の規模や件数など、事実として説明できる情報を使います。
数字で表しにくい実績は、課題に対してどのように対応し、どのような結果につながったかを記載すると伝わりやすくなります。
実績が伝わりにくい書き方
次のように業務名だけを書くと、担当した案件の規模や役割が分かりません。
共同住宅や戸建住宅の設計業務を担当しました。図面作成や確認申請、現場監理を経験しています。
実績が伝わる書き方
戸建住宅およびRC造の中規模共同住宅の意匠設計に従事しました。
基本計画から実施設計、確認申請、現場監理までを一貫して担当し、年間10件以上の設計案件に携わりました。
施主との打ち合わせや施工会社との調整も担当し、意匠性・機能性・法規適合を両立した設計提案を強みとしています。
このように、建物の用途や構造、担当工程、件数を組み合わせることで、採用担当者が経験の内容と再現性を判断しやすくなります。
複数のプロジェクトを経験している場合は、すべてを文章で並べるのではなく、応募先と関連性の高い代表案件を3~5件選び、「用途・構造・規模・担当範囲・成果」の形式で表にまとめると読みやすくなります。
評価される3つのポイント
建築設計の職務経歴書では、「建築設計を経験しています」といった抽象的な記載だけでは、採用担当者に経験やスキルが十分伝わりません。
採用担当者は、応募者がどのような建物を担当し、どの工程まで携わり、どのような強みを持っているのかを職務経歴書から判断しています。そのため、経験を具体的に整理して記載することが重要です。
特に、以下の3つは書類選考で評価されやすいポイントです。
| 評価されるポイント | 採用担当者が確認している内容 |
|---|---|
| ① 担当した建物・プロジェクト | 住宅・共同住宅・商業施設・公共施設など、どのような案件を経験してきたか |
| ② 担当業務・役割 | 基本計画・基本設計・実施設計・確認申請・工事監理など、担当範囲が分かるか |
| ③ 資格・スキル・実績 | 建築士資格、CAD・BIM、受賞歴、業務改善などの強みが伝わるか |
① 担当した建物・プロジェクト
建築設計では、担当した建物の種類や規模によって求められる知識や経験が異なります。
そのため、「住宅の設計を担当」と書くだけではなく、戸建住宅・共同住宅・商業施設・公共施設などの用途や、木造・RC造・S造といった構造、延床面積や階数なども可能な範囲で記載すると、経験の幅や専門性が伝わりやすくなります。
② 担当業務・役割
同じ建築設計でも、企業によって担当範囲は異なります。
基本計画のみなのか、実施設計や確認申請、工事監理まで担当していたのかを具体的に記載しましょう。
また、施主との打ち合わせや行政協議、施工会社との調整など、設計以外の業務経験も記載することで、実務対応力やコミュニケーション力をアピールできます。
③ 資格・スキル・実績
一級建築士・二級建築士などの資格はもちろん、AutoCAD・Jw_cad・Revit・Archicadなどの使用経験も評価されるポイントです。
さらに、「年間○件の案件を担当」「設計コンペで入賞」「BIM導入により設計業務を効率化した」など、具体的な実績があれば積極的に記載しましょう。
数字や成果を交えることで、採用担当者が経験をイメージしやすくなります。
経験や強みを自己PRでさらにアピールしたい方へ
職務経歴書で伝えた経験や実績は、自己PRでも一貫して伝えることが大切です。
建築設計職で評価される自己PRの書き方や例文は、以下の記事で詳しく解説しています。

建築設計の実績を数字で伝える方法
建築設計職では、「設計業務を担当」「共同住宅を設計」だけでは経験のレベルが伝わりにくく、採用担当者も応募者のスキルを判断できません。
そのため、職務経歴書では担当した案件の規模や件数、担当工程、成果をできるだけ具体的な数字とあわせて記載することが重要です。
もちろん、すべての業務を数値化できるわけではありません。
しかし、案件数や延床面積、階数、担当工程など、客観的に伝えられる情報を盛り込むだけでも、経験のイメージは大きく変わります。
| 伝えたい内容 | 記載例 |
|---|---|
| 担当案件数 | 年間15件の木造住宅を担当 |
| 建物規模 | RC造10階建て・延床約4,500㎡の共同住宅 |
| 担当工程 | 基本計画から実施設計、確認申請まで担当 |
| 担当業務 | 施主との打ち合わせ、行政協議、施工会社との調整を担当 |
| 成果 | BIMを活用した設計フローの見直しにより、図面修正作業を効率化 |
数字で表現できる実績が少ない場合でも、「どのような課題に対して、どのような役割を担い、どのような成果につながったのか」を具体的に書くことで、採用担当者は経験をイメージしやすくなります。
実績が伝わりにくい書き方
共同住宅の設計業務を担当しました。
実績が伝わりやすい書き方
RC造10階建て・延床約4,500㎡の共同住宅において、基本設計から実施設計、確認申請までを担当。施主との打ち合わせや行政協議も担当し、年間8件のプロジェクトに携わりました。
実績は多く書くことよりも、応募企業で活かせる経験を分かりやすく伝えることが重要です。募集要項で求められている業務内容と関連性の高い案件を優先して記載すると、書類全体の説得力が高まります。
採用担当者に伝わりやすい職務経歴書に仕上げるコツ
建築設計の職務経歴書は、経験が豊富であるほど情報量が多くなりがちです。
しかし、多くの案件を時系列で並べるだけでは、本当に伝えたい経験や強みが埋もれてしまいます。
採用担当者は限られた時間で職務経歴書を確認するため、「何を経験し、何ができる人なのか」が短時間で伝わる構成を意識しましょう。
| 意識したいポイント | 書き方のコツ |
|---|---|
| 案件を厳選する | 応募企業と関連性の高い代表案件を3〜5件程度紹介する |
| 見出しを統一する | 「案件概要」「担当業務」「実績」のように項目を統一すると読みやすい |
| 文章は簡潔にまとめる | 1文を長くせず、1つの内容ごとに区切って記載する |
| 専門用語は補足する | 社内でしか通じない略称や独自名称は避ける |
| 応募企業に合わせる | 募集職種で求められる経験を優先的に記載する |
特に中途採用では、「経験の多さ」だけでなく、「応募先で活かせる経験を整理できているか」も評価対象になります。
例えば住宅メーカーへ応募する場合は戸建住宅や共同住宅の経験を、設計事務所へ応募する場合は意匠設計や設計監理の経験を前面に出すなど、応募先に合わせて内容を調整することが大切です。
また、案件ごとに記載方法が異なると読みにくくなるため、案件概要・担当業務・成果などの構成を統一すると、採用担当者も比較しながら内容を把握しやすくなります。
履歴書との違いも確認しておきましょう
職務経歴書では経験や実績を詳しく伝えますが、履歴書は基本情報や資格、学歴・職歴を簡潔にまとめる書類です。それぞれの役割を理解して作成することで、応募書類全体の完成度が高まります。
建築設計の職務経歴書の記載例
職務経歴書は、自身の経験を時系列で並べるだけではなく、担当した業務や成果が伝わるようにまとめることが重要です。
特に建築設計職では、担当案件の種類や規模、担当工程、使用ソフトなどを具体的に記載すると、採用担当者が実務経験を把握しやすくなります。
以下は、住宅設計の経験者を想定した記載例です。
実際に作成する際は、自身の経験に合わせて案件内容や担当範囲を書き換えて活用しましょう。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 勤務期間 | 2021年4月~現在 |
| 勤務先 | ○○建築設計事務所 |
| 事業内容 | 戸建住宅・共同住宅の設計、設計監理 |
| 担当業務 | 施主との打ち合わせ、基本設計、実施設計、確認申請、設計監理 |
| 使用ソフト | AutoCAD、Revit、Jw_cad、SketchUp |
| 実績 | 年間15件程度の木造住宅を担当し、設計から確認申請まで一貫して対応 |
記載例
2021年4月に○○建築設計事務所へ入社。木造戸建住宅を中心に、施主との打ち合わせから基本設計、実施設計、確認申請まで一貫して担当しています。年間15件程度の案件を担当し、AutoCADやRevitを使用した図面作成のほか、行政協議や施工会社との打ち合わせも担当しています。
例文をそのまま使用するのではなく、自身が担当した建物の用途や構造、担当工程、成果などへ置き換えることで、オリジナルの職務経歴書として説得力が高まります。
職務経歴書でよくある失敗例
職務経歴書は経験をアピールする書類ですが、情報を詰め込みすぎるとかえって伝わりにくくなることがあります。
採用担当者は短時間で多くの応募書類を確認するため、読みやすさと分かりやすさも重要な評価ポイントです。
以下のような失敗は、建築設計職の応募でもよく見られます。作成後は一度見直し、改善できる点がないか確認しましょう。
| よくある失敗 | 改善ポイント |
|---|---|
| 担当業務だけを書いている | 担当案件や成果、担当工程まで具体的に記載する |
| 専門用語や社内用語が多い | 誰が読んでも分かる表現に言い換える |
| 案件をすべて掲載している | 応募先で活かせる代表的な案件を優先する |
| 文章が長く読みにくい | 1文を短くし、項目ごとに整理する |
| 応募企業に合わせていない | 募集要項を確認し、関連する経験を中心に構成する |
特に、「〇〇を担当しました」という説明だけでは、経験の深さは伝わりません。
担当した役割や工夫した点、成果まで記載することで、採用担当者は入社後の活躍をイメージしやすくなります。
また、経験が豊富な方ほど情報量が多くなりがちですが、すべてを書く必要はありません。応募先が求める経験に合わせて内容を取捨選択することで、職務経歴書全体が読みやすくなり、伝えたい強みも明確になります。
職務経歴書を書いた後のチェックポイント
職務経歴書は作成して終わりではありません。
誤字脱字や記載漏れがあると、内容が充実していても採用担当者へマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
提出前には、応募先の募集要項と照らし合わせながら、自分の経験やスキルが適切に伝わっているか確認しましょう。
| チェック項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 応募職種との一致 | 応募先で求められる経験やスキルを優先して記載しているか |
| 担当範囲 | 基本設計・実施設計・確認申請・設計監理など、担当工程が明確か |
| 実績の具体性 | 案件数や建物規模、担当業務などを具体的に記載しているか |
| 使用ソフト・資格 | CAD・BIMソフトや保有資格を漏れなく記載しているか |
| 文章・レイアウト | 誤字脱字がなく、見出しや項目が統一されていて読みやすいか |
特に建築設計職では、経験年数だけではなく、「どのような建物を担当したのか」「どこまで担当したのか」が評価されます。そのため、担当案件の種類や構造、担当工程が読み取れる内容になっているか、提出前にあらためて確認することが大切です。
また、応募企業によって求める人材は異なります。
住宅メーカーであれば住宅設計の経験、設計事務所であれば意匠設計や設計監理の経験など、募集内容に合わせてアピールする実績を調整することで、職務経歴書の説得力を高められます。
最後に、第三者に読んでもらうことも効果的です。
自分では分かりやすく書いたつもりでも、専門用語が多すぎたり説明不足だったりする場合があります。
客観的な視点で確認してもらうことで、より伝わりやすい職務経歴書へブラッシュアップできます。
建築設計の職務経歴書に関するよくある質問
- 担当した案件が少なくても評価されますか?
-
評価されます。
採用担当者は案件数だけでなく、どのような建物を担当し、どの工程まで携わったのかを重視しています。案件数が少ない場合でも、担当範囲や工夫した点、成果を具体的に記載することで経験を十分にアピールできます。
- 使用したCADやBIMソフトはすべて書いたほうがよいですか?
-
実務で使用したソフトはできるだけ記載しましょう。
特にAutoCAD、Jw_cad、Revit、ARCHICAD、Vectorworksなど、応募先で使用されている可能性があるソフトは採用担当者が確認するポイントになります。使用経験がある場合は、実務でどのように活用していたかまで記載すると、より伝わりやすくなります。
- 建築士資格を取得していない場合でも応募できますか?
-
応募できます。
求人によっては一級建築士や二級建築士が応募条件となる場合もありますが、資格取得を目指している方や、CADオペレーター・設計補助・実施設計などの経験を評価する企業も少なくありません。募集要項を確認し、自身の経験を活かせる求人を選ぶことが大切です。
- 職務経歴書は何枚くらいにまとめるのが理想ですか?
-
一般的にはA4用紙2〜3枚程度が読みやすいとされています。
経験が豊富な場合でも、応募先に関連する案件を優先し、情報を整理してまとめることで採用担当者が内容を把握しやすくなります。
まとめ
建築設計の職務経歴書は、これまでの経歴を時系列に並べるだけでは十分なアピールになりません。
担当した建物の種類や規模、担当工程、使用したCAD・BIMソフト、実績などを具体的に記載することで、採用担当者へ経験や強みを分かりやすく伝えられます。
また、応募先によって求められる経験は異なるため、住宅メーカーや設計事務所など、応募企業に合わせて記載内容を調整することも重要です。
担当したすべての案件を書くのではなく、募集要項と関連性の高い経験を優先してまとめることで、より説得力のある職務経歴書になります。
職務経歴書は、面接につながるかどうかを左右する重要な応募書類です。
本記事で紹介したポイントを参考に、自身の経験やスキルが伝わる内容にブラッシュアップし、自信を持って転職活動へ臨みましょう。
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