
「派遣の職場見学(顔合わせ)まで進んだのに、不採用の連絡が来てしまった」
「自分なりに丁寧に受け答えをしたつもりなのに、何がいけなかったの?」と、深く落ち込んでしまう方は少なくありません。
特に子育て中やブランクがある方の場合、「条件が合わなかったのかな」「今の自分には社会復帰はまだ早いのかな」と、自分を責めてしまいがちです。
しかし、派遣の職場見学で落ちる原因は、あなたの人間性やこれまでのキャリアを否定するものではありません。
そこには派遣法という法律上の建前と、企業が求める実利的なニーズの「ズレ」が隠れています。
また、ちょっとした振る舞いや、逆質問の選び方を変えるだけで、企業側の評価を劇的に変えることが可能です。
「なぜダメだったんだろう…」と一人で悩む必要はありません。
この記事では、厚生労働省の指針や法律のルールをひも解きながら、職場見学の「本当のしくみ」をやさしく解説します。
ついついやってしまいがちなNG行動のチェックリストや、子育て中だからこそ伝えたい「前向きな逆質問」の作り方など、次のステップに自信が持てるヒントをまとめました。
職場見学(顔合わせ)で採用に至らない最大の理由は、「企業のニーズと求職者のスキル・条件のミスマッチ」を企業側が解消できないと判断したためです。
職場見学は、法律上「選考の場」ではありませんが、実態としては「この人に業務を任せられるか」を確認する非常に重要な場となっています。
まず理解しておきたいのは、派遣法における職場見学の立ち位置です。
厚生労働省の指針によると、派遣先企業が派遣労働者を事前に選別する「事前面接」は法律で禁止されています。
派遣先が、派遣就業を開始する前に、派遣労働者を特定することを目的とする行為(履歴書の送付を求めたり、面接を行ったりすること等)は、紹介予定派遣の場合を除き、禁止されています。
職場見学は、あくまで派遣労働者が自ら「業務内容や職場環境を確認し、納得して働けるかを確認する場」です。それにもかかわらず不採用(紹介見送り)となるのは、企業側が「この業務を任せるには、スキルや稼働条件が不足している」という客観的なリスクを回避しようとするためです。
企業が派遣社員を受け入れる背景には、「欠員補充」や「繁忙期対応」など、即戦力を求める事情があります。
- OAスキルの不足
「Excelが使える」という自己申告に対し、実務で必要なVLOOKUP関数やピボットテーブルの経験がなかった。- 業界知識の欠如
住宅業界などの専門用語が飛び交う環境で、基礎的な用語理解に時間がかかりそうだと判断された。
子育て中の方に多いのが、残業や突発的な休みの扱いに関するズレです。
企業側が「月に10時間は残業してほしい」と考えているのに対し、見学時に「1分も残業はできません」と断言してしまうと、業務遂行に支障が出ると判断されることがあります。これは能力の問題ではなく、あくまで「パズルのピースが合わなかった」という物理的な理由です。

職場見学で「この人は難しいかも」と思われてしまうNG行動は、「主体性の欠如」と「条件面への過度な権利主張」に集約されます。
「派遣会社から紹介されたから来た」という受け身の姿勢は、企業側に「仕事への関心が低い」という印象を与えます。
- NG例
「自分にできるかわかりませんが、頑張ります」「指示があればやります」- 対策
「これまでの事務経験を活かして、早くお役に立てるよう努めます」など、貢献意図を明確に伝えます。
家庭との両立を重視する場合、条件を伝えることは必須ですが、その「伝え方」が重要です。
- NG例
「子供が熱を出したら休みます」「残業は一切しません」と、権利だけを冒頭に突きつける。- 対策
「基本的には定時で退勤させていただきますが、前もって分かっている繁忙期については、家族と相談し調整できる場合もあります」など、歩み寄る姿勢を見せつつ現状を伝えます。
退職理由を聞かれた際に、前職の不満を漏らすのは厳禁です。
「人間関係が悪かった」「給料が低かった」といった発言は、「自社でも同じように不満を持つのでは?」という懸念を生みます。

逆質問(最後に何か質問はありますか?への回答)は、あなたの仕事に対する意欲と責任感を証明する最大の武器です。
特に子育て中の方が「両立」について確認する際は、現在国が進めている支援制度の背景を知っておくと、より説得力のあるコミュニケーションが可能になります。
現在、厚生労働省では「仕事と家庭の両立支援」を国家レベルの重点施策として進めています。
これには、育児・介護休業法の改正や、企業に対する柔軟な働き方の導入支援が含まれます。
労働者の仕事と育児・介護の両立を支援するため、育児・介護休業法に基づき、育児休業、介護休業、短時間勤務制度などが定められています。
これは厚労省職員の事例ですが、国がこうした姿勢を自ら示し、民間企業へも同様の体制整備を求めている背景があります。
この社会的な流れを汲みつつ、現場での「責任感」を伝える質問を組み立てましょう。
- 質問例A(業務への意欲)
「初日にこれだけは覚えておいてほしい、という優先順位の高い業務はありますか?」
→ 早く貢献したいという意欲が伝わります。- 質問例B(両立への配慮)
「急な欠勤や早退が必要になった際、チーム内でどのように情報共有を行うのが最もスムーズでしょうか? 前職では○○という方法でカバーしていました」
→ 「休む」ことへのリスク管理を自分で考えていることが伝わり、安心感を与えます。- 質問例C(環境の確認)
「現在活躍されている派遣スタッフの方で、私と同じように育児と両立されている方はいらっしゃいますか?」
→ 現場の実態を角を立てずに確認できます。
派遣という働き方は、自分のライフスタイルを主軸に置きつつ、職種や勤務条件をカスタマイズできる点に最大のメリットがあります。
| 項目 | 派遣社員 | 正社員 | パート・アルバイト |
| 雇用主 | 派遣会社 | 勤務先企業 | 勤務先企業 |
| 時給・給与 | 比較的高め | 固定給+賞与 | 比較的低め |
| 残業 | 契約で制限可能 | 発生しやすい | 少ないが時給が低い |
| サポート | 派遣会社の担当者がつく | 自分で行う | 自分で行う |
2020年(中小企業は2021年)から適用された「同一労働同一賃金」により、派遣労働者の待遇は劇的に改善されました。
派遣先に雇用される通常の労働者との間で、不合理な待遇の格差を設けることが禁止されています。
これにより、通勤手当の支給や、スキルに応じた適正な時給設定が当たり前になり、子育て世代にとっても「効率よく稼げる」働き方へと進化しています。
派遣の働き方を検討する際、ぜひ選択肢に入れていただきたいのが「住宅・不動産業界」です。一見ハードルが高そうに見えますが、実は家庭と両立しやすい条件が揃っています。
- 業務内容
契約書の作成補助、住宅ローンの書類チェック、備品管理など。- メリット
専門知識が身につくため、一度覚えると時給が上がりやすく、長く働けます。また、大手ハウスメーカーなどは福利厚生が整っており、派遣スタッフへの対応も丁寧なケースが多いです。
- 業務内容
住宅展示場での来客応対、アンケートの回収、お茶出し、カタログ整理。- メリット
土日メインの勤務が可能。平日に子供の行事や習い事を優先したい方に最適です。「接客経験」があれば未経験からでも高時給でスタートできます。
- 業務内容
設計士の指示に基づき、専用ソフト(AutoCADやJW-CAD)で図面を修正・作成。- メリット
専門職としての地位が確立されており、将来的に在宅勤務(フルリモート)へ移行しやすい職種です。
住宅業界に限らず、IT、製造、医療事務など、派遣のフィールドは無限に広がっています。
「今の自分に何ができるかわからない」という方は、特定の業界にこだわらず、まずは派遣会社のキャリアカウンセラーに相談してみることをお勧めします。
あなたの気づいていない「強み」を、プロの視点で見つけ出してくれるはずです。

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職場見学の結果が「見送り」だった場合、次の紹介に影響しますか?
派遣会社は「相性の不一致」として処理します。
むしろ、合わない職場で無理に働き始めてすぐに辞めてしまうよりも、見学の段階でミスマッチが判明したことは、あなたにとってもプラスです。すぐに次の案件を紹介してもらいましょう。
ブランクが5年以上あります。職場見学で何をアピールすべきですか?
「現在の学習意欲」と「過去の成功体験」をセットで伝えましょう。
「5年のブランクはありますが、直近でExcelの基本操作をおさらいしました」「以前の職場では、正確なデータ入力でチームを支えていました」など、過去の実績を今のやる気に紐づけるのがコツです。
職場見学に子供を連れて行くことはできますか?
原則として避けるべきです。
職場見学はビジネスの場です。
当日は一時保育やベビーシッター、ご家族の協力を仰ぎ、一人の「ビジネスパーソン」として臨むことが、採用の可能性を最も高めます。
派遣の職場見学で落ちる原因の多くは、事前の準備や「伝え方」の工夫で解消できるものです。
事前面接が禁止されているという法的背景を理解し、過度に自分を卑下することなく、「自分に合う職場かどうか」を確認する前向きな姿勢を持ってください。
国が進める両立支援制度や、同一労働同一賃金といった追い風もあり、派遣は今、子育て世代にとって最も効率的で柔軟な働き方の一つになっています。
あなたのライフスタイルにぴったり合う「自分らしい働き方」を、ぜひ見つけていきましょう。
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