住宅・不動産業界での働きやすい環境とは?職場環境で求職者が求めるポイント

2023/07/07
求職者が求める職場環境

近年、労働環境の改善と人材の確保は企業の持続的な成長にとって不可欠な要素となっています。これは住宅・不動産業界においても同様で、人手不足の中、優れた人材を確保し、彼らが最大限に能力を発揮できる環境を提供することが重要です。この記事では、求職者の職場環境に対するニーズを共有し、住宅・不動産業界における職場環境の改善ポイントを解説します。

住宅・不動産業界の現状と人材確保の重要性

住宅・不動産業界は、一部の企業では不安定な給与体系、厳しいノルマ、頻繁な外回り、残業過多などの古くからの慣習が根強く残っており、これらの条件が求職者にとってブラックな業界のように見える一因となっています。

実際のところ、厚生労働省の産業別入職率・離職率の統計によれば、不動産業界の入職率は11.4%、離職率は8.3%と、他の業界と比較しても特に高いわけではありません。とはいえ、住宅・不動産業界には離職率が突出して高い企業が存在しているのも事実です。
この状況を鑑みると、住宅・不動産業界にとって、優秀な人材の確保と働きやすい環境の提供は急務と言えるでしょう。

出典:厚生労働省「令和4年上半期雇用動向調査結果の概要

住宅業界に対する求職者のイメージについては、以下の記事でもまとめています。

求職者が住宅・不動産業界で求める職場環境とは

求職者が住宅・不動産業界で求める職場環境とは

では、求職者はこの業界で具体的にどのような職場環境を求めているのでしょうか。
当社が様々な求職者とやり取りする中で感じたことは、良好な職場環境が人材定着において重要な要因であるということです。具体的には以下の要素が挙げられます。

  • ワークライフバランスを保った働き方ができる
  • 中長期的にキャリアプランを立てることができる
  • 人事制度(賃金制度、人事評価制度)が整っている

しかし、「働きやすい職場」の作り方には注意が必要で、快適さだけを追求したり、働き方改革の法改正に対応するだけでは十分ではありません。
例えば、労働時間の短縮や有給休暇の取得を徹底する一方で、従業員一人ひとりの負担が増えたり、社内コミュニケーションが不足すると、職場環境が悪化するケースもあります。

働きやすい職場づくりのゴールは、従業員が伸び伸びと働ける環境でモチベーションを高めながら、企業全体のパフォーマンスが健全に向上することで、最終的には企業への利益につながります。

職場環境改善に成功した企業事例

職場環境改善に成功した企業事例

近年、企業の間で職場環境改善への取り組みが広がっています。異業界も含みますが、職場環境の改善策を実施した3社の成功事例を紹介します。

個々に合わせた制度の拡充

大手清涼飲料メーカーは、従業員の生産性と満足度の向上を狙い、在宅勤務、サテライトオフィスの活用、スーパーフレックス制度による自由な出退勤時間の選択を推進しています。

例えば営業部門では直行直帰を駆使し、混雑時間帯を避け顧客とのコミュニケーションを深めたり、有意義な商談を展開する機会を増やしたりしています。結果として、営業活動の効率と成果が向上し、従業員のモチベーションも高まっているとのことです。

ストレス状況などを考慮し個別にケア

木造注文住宅の建設・販売を行う住宅メーカーでは、社員のメンタルヘルスに対する意識を高めるために、様々な健康管理の体制を整えています。
その中で、ストレスチェックを50人未満の拠点も含めて全社で実施し、受検率は3年目で約95%と高く推移しています。結果をもとに、社員一人ひとりのストレス状況を把握し、必要に応じて産業医との面談を実施しているそうです。

同社では、社員が自身のキャリアを振り返り自己評価を行うツールも導入。結果として社員の自己理解の深化、コミュニケーションの円滑化、職場の活性化などが進んでいます。

家庭の事情を考慮した異動制度の整備

ある住宅建築企業では、従業員のライフステージや家庭の事情を考慮した異動制度を整備しました。結婚や配偶者の転勤、育児や介護の必要性等を理由に、従業員自身が希望する勤務地への異動を配慮する制度を導入することで、職場とプライベートの両立が図れる環境が生まれています。

また、社員がやむを得ない理由で転居を伴う異動ができない場合でも、その事情に配慮した働き方を選択できる制度があり、多様な生活スタイルを持つ社員への配慮がなされています。

職場環境改善のポイント

職場環境改善のポイント

住宅・不動産業界において職場環境の改善は、従業員の働きやすさ、生産性、満足度を向上させるために重要です。以下に主なポイントを紹介します。

労働環境や勤務条件の見直し

2014年の「労働安全衛生法」改正により、50人以上の従業員を抱える事業所は、毎年少なくとも1回、全従業員に対するストレスチェックの実施が義務付けられました。さらに令和5年4月1日からは、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が、50%以上に引き上げられることとなりました。

これらの法改正を受け、50人以下の中小規模事業所も対応が必要になります。働き方に柔軟性を持たせるための勤務時間管理、フレックスタイム制度の導入、および給与体系の見直しを通じて、従業員の生活安定に配慮することが重要です。

参考:厚生労働省「ストレスチェック導入マニュアル」「中小企業の事業主の皆さまへ

法改正について以下の記事でも詳しく解説しています。

ITシステムの積極的な導入

近年、生産性の向上という観点からITシステムの積極的な導入が一般的になりました。CRMツールや不動産管理システムの導入により、顧客データの管理が効率化されサービスの質が向上すると共に、リモートワーク・オンライン会議等の導入により多様な働き方を選択できます。

適切な人材配置と採用業務の効率化

業務の効率化と従業員の満足度を高めるためには、適切な人材配置と採用業務の効率化は必須です。特に選考管理は何度も繰り返されるため、人事と他の部署との緊密な連携が求められます。採用プロセスを効率化し人材を適切に配置することは、採用担当者の業務負担軽減や、優秀な人材の確保等を考慮する上でも重要です。

求めるスキルや性格特性を明確にし適切な人材を採用するためには、業界のニーズに精通した人材紹介サービスの活用も効果的です。

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まとめ

職場環境改善策を展開する

住宅・不動産業界における職場環境の改善は、人材の確保や定着、そして企業全体の生産性と成長にとって必要不可欠であり、高いエンゲージメントを持つ人材を引き寄せます。成功事例を参考にしながら、貴社独自の職場環境改善策を展開することも考えましょう。

当社は住宅・不動産業界を専門とする人材紹介会社で、求職者が望む職場環境についてもご相談いただけます。詳しくはこちらまでお気軽にお問い合わせください。

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