住宅業界は人手不足や建築資材の高騰など、多くの課題に直面しています。これらはハウスメーカーや地域に根ざした工務店にとって、新規顧客獲得のハードルを高くしています。
このような厳しい状況の中、顧客を”生涯顧客”として確保する有効な手段として、住宅販売後のアフターサービスの強化が注目されています。
本記事では、ハウスメーカー・工務店が住宅引き渡し後のアフターサービスを強化するメリットと、当社が提供する新しいアフターサービスについて詳しく説明します。
近年、ハウスメーカー・工務店にとって新規顧客の獲得は厳しさを増しています。
国土交通省の発表によれば、2022年の「新設住宅着工戸数」は前年比0.4%増の85万9529戸で、2年連続の増加となりました。
ただし、持ち家(注文住宅)は前年比11.3%減と大きく落ち込んでいます。また、分譲戸建て住宅は、2022年11月以降2カ月連続で前年同月実績を割り込んでいます。
こうした状況を背景に、多くの企業が新規顧客・見込み顧客の確保に向け、住宅販売後の長期保証を施策として設け、アフターサービスを実施しています。
しかし、蓋を開けてみると形骸化しているのが現状で、「儲けにならない」「クレームに対応できない」と売りっぱなし、建てっぱなしというメーカーも一定数存在します。
出典: 国土交通省「建築着工統計調査報告(令和4年計分)」
ではハウスメーカーや工務店にとって、アフターサービスを強化するメリットはあるのでしょうか?
アフターサービスの強化により、生涯顧客の確立と継続的な収益アップにつながる可能性があります。生涯顧客とは、長期にわたり様々なサービスや商品を利用する顧客のことで、新規開拓するよりも、リピーターと継続的な関係を築いた方がより収益化しやすい側面があります。
このような顧客関係を構築・維持するには、良質な住宅診断(ホームインスペクション)や、個々のニーズに応じたリフォーム提案は欠かせません。
顧客が確かな価値を感じることで、継続的な収益につながるのです。
住宅販売後、一定数の企業が表面的な点検や手続きに終始する中、顧客に確かな安心感と満足度をもたらすサービスを提供することは、競合との差別化に繋がります。
企業にとっては手間なく、顧客にとっても大きな費用負担もなく、安心して新生活を送れるようなアフターサービスを実施することで、顧客のリピートが増え、企業の信頼性も高まります。
良質なアフターサービスを提供することで、ハウスメーカーや工務店が単なる「家を売る」会社から、「売った後も丁寧にフォローしてくれる」会社として認知されるようになります。
このようなブランドイメージの向上は、口コミや評価を通じて、新規顧客の獲得につながり、結果的にさらなる価値や収益を生む循環を作り出します。
前述したように、アフターサービスの強化はハウスメーカーや工務店にとっても重要な要素です。一方で、実践するにはさまざまな課題があるのではないでしょうか。
人材・労力の課題
顧客関係・営業の課題
組織・プロセスの課題
アフターサービスの重要性は理解していても、上記のような理由から対応しきれていないという現状があるのです。
高品質なアフターサービスを実施するには、2つの方法があります。
自社で提供するアフターサービスを見直し、品質を向上させる選択肢があります。具体的には以下の解決策が考えられます。
ただし自社対応は、システム整備・管理のコストが発生するとともに、人員が割かれ、それが他の業務に影響を及ぼす可能性があります。
また、専門的な知識やスキルが必要な場合、内部での対応が難しいという局面も考えられます。
自社対応が難しい場合は、外部の専門会社への委託が有効です。主業務に注力できるだけでなく、人手不足、スキル不足などの負担も軽減できます。
しかし委託先によっては、サービス品質や顧客満足度に影響を与える可能性があるでしょう。
このタイプの会社は、点検作業を一種の慣習として捉えており、深い分析や継続的な改善活動はほとんど行われません。結果として、表面的なサービス改善しか見られず、長期的なビジネス成長は期待できません。
対して収益化を考慮した点検を行う会社は、アフターサービスがもたらす価値を最大化しようと努力します。顧客満足度が高まるだけでなく、リピートビジネスや口コミによる新規顧客獲得にも繋がります。
どちらを選ぶのかは、企業のビジョンや目標によって異なります。リソースが限られている中小企業や、新規事業や他の部門にリソースを集中させたい大手企業など、それぞれの規模やケースによって選択してください。
ユナイテッドマインドジャパンでは、戸建て住宅に特化した維持管理サービス企業と提携し、中小企業から大手ハウスメーカーまでを対象に、外部委託によるアフターサービスの導入をサポートしています。
資料のご請求・ご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当社は、住宅のオーナー・ハウスメーカー双方に高度なアフターサービスを提供するため、戸建て住宅に特化した維持管理サービス企業と提携しています。ここからは、その内容について詳しく解説していきます。
提携企業は戸建て住宅の維持管理に特化しており、その専門性を活かし、住む人の暮らしを長期間にサポートしています。
加えて、設立から40年の実績を持つ親会社を有し、住宅・不動産業界内での広範な知見とネットワークを活かして高品質なアフターサービスを実現しています。
本サービスは単なる点検代行ではありません。点検結果の報告を通して、将来的に必要とされるメンテナンスや修繕のニーズについても顧客に喚起します。
顧客の状況によっては、リフォーム提案にとどまらず、具体的な案件まで進展する可能性もあります。
リフォーム提案前の住宅診断は、国土交通省の「既存住宅インスペクションガイドライン」に準拠したチェックリストを使用して行います。
17部位・約200項目の点検と10項目の暮らしの診断を含み、結果は自動判定システムによって三段階で評価されます。
さらに、劣化箇所の写真と解説を含む「定期点検報告書」、修繕計画を示す「修繕計画書」も顧客に提供されるため、信憑性・信頼性の高い診断が可能です。
点検した履歴はデータベースへ詳細に登録されます。過去の点検結果やコミュニケーションの履歴を一元管理し、リフォーム提案に効果的に活用できます。顧客の要望や建物の状態に合わせた最適なサービス提案を行い、長期的な住環境の向上をサポートします。
提携企業では、点検員導入時の育成研修を随時行っています。顧客へ適切なリフォームをご提案するための研修を含む多種多様なテーマで教育を実施しています。
点検やリフォーム提案のみならず、ニーズに合わせた多彩なオプションも備え、水回りの診断から窓ガラスのメンテナンス、玄関鍵のトラブルにも迅速に対応できます。
また、提案後のリフォーム・メンテナンス工事を自社でこなすことが難しい場合、工事企業ネットワークを利用できます。
アフターサービスの外部委託はメリットも多い一方で、注意すべきポイントも存在します。外注時に留意すべき点ですので事前に把握しておきましょう。
アフターサービスを外注する場合、一つのプロジェクトにさまざまな業務を担当する複数の外注先が関与する場合があります。このような状況では、各外注先が持っている品質基準や作業プロセスが異なる可能性があり、結果としてサービス品質にばらつきが生じる恐れがあります。
外注先が顧客の期待に応えられない場合、ハウスメーカーの責任となり、顧客満足度への影響が懸念されます。コミュニケーション不足や外注先との調整不足により、顧客の要望や修理内容に不具合が生じ、サービス品質が低下する可能性があります。
外注先の品質管理や評価には時間と労力が必要です。外注先を複数管理する場合、適切なオペレーションが確立されていなければ、管理コストが増加する可能性があります。契約前に外注先のサービス内容や品質管理体制を詳細に把握し、適切な管理プロセスを確立することが必要です。
アフターサービスの充実は、顧客満足度や長期的な企業成長に直結します。しかし一部のハウスメーカー・工務店は、引き渡し後のアフターフォローが不十分なため、収益化ポテンシャルを最大化できていないと当社は感じています。
ユナイテッドマインドジャパンは、住宅・不動産業界に特化した人材紹介を主業務として行う中で、「住」に関わる事業の一貫としてアフターサービスの強化をご提案しています。
このような取り組みを通じ、貴社が顧客と信頼関係を築き、企業の安定的な成長に貢献できればと考えています。
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