優秀な人材の確保は地方企業にとっても重要な課題です。
「採用にはなかなかコストをかけられない」「若手社員や優秀な経験者を採用したいが、都会へ出ていってしまい、そもそも地元に人が少ない」ーーー。
そんな悩みを抱える地方の住宅・不動産企業や工務店の経営者も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、これらの企業が直面する採用の問題点を探り、解決策を考えていきます。
地方企業は、都市部にある企業と比べ、中途採用において複雑な課題を抱えています。主な課題は以下の5つです。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2025年以降、東京都を除く46道府県で総人口が減少すると見込まれています。さらに2045年以降は、東京都を含むすべての都道府県で人口減少が続くと予測されています。
このように、人口減少が進む地方都市ではおのずと人手不足も深刻化するのが予想されます。
特に、専門性を有し経験豊富な人材や若手層は都市部に流出しやすいため、地方企業が採用できる人材のプールは限られています。このため、人材獲得において不利な状況が生じています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
地方企業は都市部企業と比べて知名度が低く、優秀な人材の目に留まりにくいという課題があります。
特に、地方外からの応募者にとっては企業情報や社風を理解することが難しく、応募に踏み切れないケースも多くなります。
地方企業は、都市部企業と比べて給与や福利厚生などの待遇面で劣っている場合が多く、人材にとって魅力度が低い場合があります。
大企業ほど明確なキャリアパスを提示できない場合があるため、将来のキャリア展望が見えにくいことで人材を逃してしまう可能性があります。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、全国平均の月収約31万円を上回っているのは、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県の5都府県のみであり、もっとも高い東京都の平均月収は約38万円にのぼります。
このような賃金格差により、地方の企業は優秀な人材を惹きつけることが非常に難しい状況に置かれています。
その他、教育、医療、交通など生活インフラの整備状況の面でも、地方は大都市に大きく後れをとっているのが現状です。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」
地方企業の中には、中途採用に対する意識が低い場合があります。
例えば、従来から地元採用をメインとしてきた企業は、外部人材の採用に慣れていないケースも多く、採用活動がうまくいかないことがあります。
地方の住宅・不動産企業が中途採用で直面する課題を解決するためには、いくつかの効果的な対策があります。
政府は、東京への人口集中を緩和し地方経済の活性化を図るため、「地方創生」を重要な政策課題として位置づけています。
その一環として、東京圏から地方への移住・就職を促進するための支援策である中途採用等支援助成金(UIJターンコース)が設けられました。
この助成金は、東京圏からの移住者を雇い入れた事業主に対し、その採用活動に要した経費の一部を最大100万円支給するものです。
住宅・不動産企業はこの制度を上手く取り入れ、UIJターン組を積極的に採用することで、優秀な人材の確保と定着率の向上を図ることができるでしょう。
参考:厚生労働省「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)」
求人広告を作成する際には、企業の実績や業界知名度などの基本情報に加えて、地域の魅力を積極的に訴求することが重要です。
地方で働くことのメリットや、その地域ならではの良さをアピールすることで、全国各地から優秀な人材を惹きつけ応募者の母集団形成につなげることができます。
また、転職を検討している潜在的な人材に対しては、以下のような情報を盛り込むことで、応募へのハードルを下げることができるでしょう。
これらの情報を明確に伝えることで求職者は安心感を得られ、応募を検討しやすくなります。
職種経験者に絞った採用を行うと、他社との競合が激しくなり、採用がより厳しくなる傾向があります。そこで要件緩和し、未経験者採用を視野に入れてみるのも一案です。
例えば住宅営業なら、異業界での営業経験者や接客・販売経験者をポテンシャル採用の対象とすることで優秀な人材を確保しやすくなります。
業界未経験者であっても、その人物の持つスキルや適性・意欲を評価し育成することで、貴重な戦力となる可能性があるでしょう。
未経験者の採用や育成については以下の記事を参考にしてください。
地方での就職を検討している潜在的な候補者に対してアプローチするためには、中途採用でも柔軟に面接や説明会を実施することが効果的です。
慢性的に人手不足が続くこれからの時代、待つだけでなく、企業側から歩み寄る姿勢も求められます。
以下のような取り組みを通じて、優秀な人材の採用につなげることができるでしょう。
各地で開催される転職フェアや合同企業説明会に参加し、自社の魅力をアピールすることで、UIJターンを検討している人材との出会いの場を創出できます。
各地で自社単独の企業説明会を開催し、企業の魅力や地方での働き方をアピールします。参加者との個別面談を通じて、具体的な採用ニーズを把握することも可能です。
オンライン面接を積極的に活用することで、遠方の候補者との面接機会を増やすことができます。応募者の負担を軽減し、応募のハードルを下げることにもつながります。
地方の住宅・不動産企業が優秀な中途人材を獲得するためには、近隣地域での採用を優先しつつ、幅広い人材層に対してのアプローチが必要です。
そのために、SNSや企業ブログを活用し、企業文化や社員の働き方、地域の魅力を積極的に発信することが効果的です。
加えて、地域イベントへの参加・協賛や地方自治体との連携を通じて、地域に根ざした企業としての信頼を獲得することも重要になるでしょう。
自社のニーズに合った人材紹介会社を選ぶことも効果的な手法です。
幅広い職種を網羅する総合型人材エージェントもありますが、業界特化型なら、業界の動向や求められるスキルに精通しているため、より適切な人材とのマッチングが期待できます。
当社ユナイテッドマインドジャパンは、住宅・不動産企業に特化した人材紹介会社であり、全国100拠点に紹介実績があります。
地方企業の中途採用ニーズに対して、最適な人材をご提案することが可能です。
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地方の住宅・不動産企業が中途採用で直面する課題は深刻ですが、UIJターンの積極活用や求人広告の工夫、採用基準の見直し、大都市圏での採用活動強化など、様々な対策を講じることで優秀な人材の獲得は可能です。
ユナイテッドマインドジャパンは、住宅・不動産業界に特化した人材紹介会社として、地方企業の中途採用を全力でバックアップいたします。
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