住宅・不動産業界における採用ミスマッチの事例と防止策

2024/03/21
住宅・不動産業界における採用ミスマッチの事例と防止策

住宅・不動産業界の一部の企業では、中途採用活動を行っても入社後の早期離職により人材が定着しない等、人材確保や育成の課題を抱えています。

この問題の背景にはいくつかの要因が考えられますが、その一つとして採用時のミスマッチが挙げられます。

本記事では、住宅・不動産企業の実例を交えながら、採用時のミスマッチが生じる原因について分析していきます。

採用ミスマッチとは?ミスマッチの種類

採用ミスマッチとは?ミスマッチの種類

採用ミスマッチには様々な種類がありますが、主なものは以下の通りです。

  • スキルミスマッチ

求職者のスキルと職務要件が一致しない場合。必要とされる専門知識や技術力が不足している、または過剰である状態。

  • 経験ミスマッチ

求職者の経験年数や経験内容が、求められる水準と合わない場合。経験不足や、逆に求人よりも高い経験を持つ場合などが含まれる。

  • 価値観ミスマッチ

求職者と企業の価値観、文化、ビジョンなどが合致しない場合。長期的な勤務継続や、モチベーション維持に影響を与える。

  • 人物像ミスマッチ

求職者の性格、コミュニケーションスタイル、働き方などが、企業や職場の雰囲気と合わない場合。チームワークや人間関係に支障をきたす可能性がある。

  • 情報ミスマッチ

求人情報や面接時の説明が不十分で、求職者が職務内容や労働条件を正しく理解できていない場合。
例として、歩合やインセンティブの割合が低い、あるいは固定給の割合が高い等で思うように稼げない場合がある。

  • 期待ミスマッチ

求職者が職務内容、給与、キャリアパスなどに対して持つ期待と、実際の状況が異なる場合。入社後の早期離職やモチベーション低下につながる。

人材が定着しない場合は上記いずれかに該当している可能性が高いため、採用プロセスを見直す必要があるでしょう。

住宅・不動産企業の採用ミスマッチの一例

住宅・不動産企業の採用ミスマッチの一例

住宅・不動産企業の中にも、これまで採用ミスマッチを経験した企業は数多くあります。当社クライアントの一例をご紹介します。

事例1 

ある大手ハウスメーカーでは、営業の業務範囲は契約までに限定されており、契約後は別の部署が設計や施工、アフターサービスを行う完全分業制を採用しています。
集客も別の部署が行うため、営業担当者は責任を負うことなく、営業活動に専念できるよう整備されています。

しかし、このような分業制や仕組み化が進んだ環境では、自由裁量で幅広い業務を行いたい人にとってはミスマッチが生じる可能性があり、実際に入社後数ヶ月で経験者が早期離職するケースがありました。

事例2 

九州地方に本社を置くあるハウスメーカーでは、若手社員の採用に苦戦していました。
ようやく採用できたのは、大手企業での経験を活かし地元でのキャリアアップを目指してUターン入社してきた人材でした。

しかし、業務のIT化が進んでおらず多くが手作業で行われていたため、非効率的で余計な手間が掛かっていました。
加えて社内のコミュニケーション不足や管理体制の不備も重なり、同社員はパフォーマンスを発揮しきれず半年後に退職しました。

この経験を踏まえ、同社ではまず業務のIT化を推進し、社内管理体制の整備に着手。また、面接時には候補者に対して自社の現状を正直に伝え、理解を求めるようにしています。

採用ミスマッチが引き起こす早期離職

採用ミスマッチが引き起こす早期離職

採用ミスマッチのデメリットの一つとして、入社後の早期離職が挙げられるでしょう。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、転職入職者が前職を辞めた理由として、「定年・契約期間の満了」に次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が男性では9.1%、女性では10.8%と多くなっています。

これは、入社前に伝えられていた労働条件と実際の労働環境が異なっていたことが原因の一つと考えられます。

採用時に企業と求職者の間で十分なコミュニケーションが取れていない場合、このようなミスマッチが生じやすくなります。

参考:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況

採用ミスマッチによる他の悪影響

採用ミスマッチによる他の悪影響

早期離職だけでなく、採用ミスマッチは企業に他の悪影響も及ぼします。

コストの増大

採用ミスマッチによる早期離職は、採用プロセスに投じたコストを無駄にしてしまいます。求人広告費、面接や適性検査の実施、研修など、採用に関わる一連の費用は小さくありません。

加えて、離職者の代替要員を確保するための追加コストも発生します。これらのコストの積み重ねは、企業の財務状況に悪影響を与える可能性があります。

生産性の低下

採用ミスマッチにより適材適所の配置ができなくなると、社員の能力が十分に発揮されず生産性の低下につながります。

また、ミスマッチによるストレスから、社員のモチベーションが下がることもあります。
業務の質の低下やプロジェクトの遅延などを引き起こし、企業の競争力を損ねる恐れがあります。

企業イメージの悪化

採用ミスマッチによる早期離職が多発すると、企業イメージにも悪影響を及ぼします。離職者からネガティブな口コミが広がれば、優秀な人材の獲得がより難しくなるでしょう。

また、取引先や顧客からの信頼も失いかねません。企業イメージの悪化は長期的な業績にも影を落とす可能性があるのです。

住宅・不動産企業が採用ミスマッチを回避するための施策

住宅・不動産企業が採用ミスマッチを回避するための施策

採用ミスマッチを防ぐためには、入社前と入社後の両方で適切な施策を講じることが重要です。ここでは、それぞれのフェーズでの施策について見ていきます。

入社前の対策

入社前に人材との適合性を見極め、ミスマッチを最小限に抑えるためには以下のような対策が有効です。

待遇の相場を確認する

待遇や報酬が競合他社よりも著しく低い場合、母集団形成ができず期待するような応募が集まらない可能性があります。

職種や地域特性などの要因もありますが、ある程度相場に足並みを揃えることで、応募数が増加する可能性もあります。

待遇の相場を知るには、以下のような方法があります

  1. 業界団体や関連組織が発表している賃金データを参照する
  2. 競合他社の求人情報を調査し、提示されている待遇内容を比較する
  3. 転職サイトや求人情報サイトを活用し、同業他社の募集条件を確認する
  4. 人材紹介会社や専門家に相談し、業界の最新動向を把握する

求職者目線で検索・調査を行うことで、自社の待遇が競合他社と比較してどのような位置づけにあるのかを把握できます。

他社と比べて待遇面で不利であれば、改善の必要性を検討しましょう。

応募者の質を高めて、採用活動を効率化するには以下の記事も参考にしてください。

採用基準の明確化 

採用担当者間で求める人材像や評価基準を共有し、一貫性のある採用活動を行うことで、適切な人材の見極めが可能になります。

試用期間の導入 

中途採用であっても、本採用前に一定期間の試用期間を設け、双方が適合性を見極められるようにし、試用期間中のパフォーマンスや適応状況を評価することでミスマッチを防ぎます。

ただし、試用期間に関しては注意点があり、適切に管理しなければ法律上の問題や両者間での誤解を招くリスクがあります。

人材紹介会社と上手く連携する

人材紹介会社との連携強化により、企業ニーズに沿った求職者獲得が見込めます。

具体的には、人材要件、企業文化、業務内容を正確に伝え、定期的にコミュニケーションとフィードバックを行うことです。

詳しい連携方法については以下の記事にまとめています。

入社後の対策

採用ミスマッチを防ぐには入社前の対策が基本ですが、入社後にも施策を実施することで早期離職の防止効果を高めます。 

オリエンテーションや研修の実施

会社の理念、方針、業務内容などを理解するための研修を実施し、社内ルールやシステムなどについても教育を行うことで、新入社員のスムーズな業務遂行をサポートします。

人材の定着については以下の記事も参考にしてください。

メンター制度の導入

先輩社員が新入社員の相談役となり、業務面だけでなく精神面でもサポートすることで、新入社員が抱える悩みや不安を早期に解消し、離職リスクを軽減します。

同時に、入社した社員に明確な目標を設定し、達成に向けたサポートを行うことで、目標達成の過程で成長実感や仕事へのやりがいを感じられるようにします。

採用プロセスや職場環境の改善

既存社員や上司からのフィードバックを定期的に収集し、それを基に採用プロセスや職場環境の改善を行うことで、組織全体の働きやすさを向上させミスマッチを予防します。

採用ミスマッチを防ぐならユナイテッドマインドジャパンへ

採用ミスマッチを防ぐならユナイテッドマインドジャパンへ

ユナイテッドマインドジャパンでは住宅・不動産企業に特化した人材紹介サービスを提供しています。求職者の経歴や志向性を丁寧にヒアリングし、貴社の企業文化や求める人材像とのマッチングを重視することで、採用ミスマッチのリスク低減に努めています。

また、入社後も一定期間、キャリアアドバイザーがフォローアップを行うことで人材の定着率向上をサポートいたします。

その他、採用に関するお悩みやご相談がございましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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