
住宅会社の反響返信は1件15分。月100件で、月5万円分の営業時間が消えている話
住宅業界の人材紹介会社をやっています。これまで3,000人以上の求職者と話し、住宅会社の経営者や店長とは毎週会っています。
その場で一番よく聞く愚痴が「最近、反響の質が落ちた」です。
でも、営業の方の受信箱を見せてもらうと、たいてい別のことが起きています。反響が減ったのではなく、返信が遅くて逃げられている。
今日は、この「返信」にいくらかかっているのかを計算します。結論は、月5万円分の営業時間です。
SUUMOやHOME'S、at homeから反響が1件届く。営業がやることはだいたい同じです。
合計15分。月100件なら25時間です。

営業1人の人件費を会社負担ベース(給与に社会保険や諸経費を足したもの)で時給3,000円とします。年収450万円の営業なら、会社が払っているのはだいたい550万円。年1,900時間で割ると3,000円弱です。
25時間 × 3,000円 = 75,000円。毎月、反響への返信だけに7.5万円払っている計算になります。
反響の内容と物件情報を貼って、「この条件のお客様向けに、来場につながる返信文を書いて」と指示すれば、下書きは10秒で出ます。
やることはこう変わります。

5分です。月100件で8.3時間。差は16.7時間、金額にして月5万円、年間60万円です。
ここで正直に書いておきます。ゼロにはなりません。
AIは物件の設備や価格、日程を平気で間違えます。確認しない運用にした瞬間、クレームになります。「5分のうち3分は確認」が現実的な数字で、ここは削らないでください。
ここが一番大事なところで、AI導入の話で一番ごまかされるところでもあります。
浮いた16.7時間分、営業の給料が減るわけではありません。口座のお金は1円も増えません。
この5万円が本当にお金になるのは、次のどれかに変えたときだけです。
3つ目が本命です。反響返信の本当の価値は「15分が5分になる」ことより、「今日の反響に今日返せる」ことにあります。
偉そうに書いていますが、うちの会社も同じでした。
人材紹介で、求職者に送るスカウト文面を媒体ごとに手で書いていました。1通10分、月300通、50時間。営業1人の勤務時間の3割です。
これを、媒体ごとの文面をAIが作り、人は送る前の確認だけをする形にしました。今は月5時間です。45時間、金額で月13.5万円分の時間が戻りました。
それで人を減らしたわけではありません。その時間で面談の数を増やしました。
反響返信も構造は同じです。「文面を毎回ゼロから考える」仕事を、「出てきた文面を確認する」仕事に変えるだけです。
式はこれだけです。
(今の1件あたりの分数 − 5分)× 月の反響件数 ÷ 60 × 時給3,000円 = 月に戻る金額
月50件なら2.5万円、月200件なら10万円です。
この記事の数字は、住宅会社の平均的なケースを仮に置いたものです。御社の反響数と単価で計算すると、上か下にぶれます。
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